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ブックフェア 特別講演

テーマ:だから今、本を読む

10月4日の朝刊は、大隅良典先生がノーベル生理学・医学賞を受賞し、日本人による3年連続受賞であるというニュースでいっぱいである。しかし、この業績は1980年代後半から90年代になされたものだという。

先日、東京国際ブックフェア会場、ビックサイト会議棟7F国際会議場(1000人収容)で行われた内田先生の講演も聴衆はいっぱいであった。ちょうど新聞が世界大学ランキングを載せていたこともあり、この20年、日本の大学からの学術的アウトカムは劣化し続けている、という話に始まった。学校の株式会社化、トップに権限が集まり物事が成果主義にとらわれ、学長からのトップダウンとなり、目先のことが一番である。したがって、イエスマンのみが養成されている。自分がトップとしてふさわしいと思っている人間は、とかく反対する人間を理解できない。教授会はもはや諮問機関としての機能も決定権もない、など。大学のアクティビティ低下を嘆いていた。

この一環で、書籍も商品化され、実用書的になっている。内容は読者に外付けされるが、昔のようにその人の価値観・宇宙観・美意識などに働きかけ、心の中心を揺さぶり、その人生を根底から変化させるようなものがないという。編集担当としては考えさせられる問題である。

果たして20~30年後の日本人のノーベル賞はいかに‥。

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