健康児童と心臓性突然死
循環器学会プレスセミナーに参加しました。テーマは「みんなで知ろう児童生徒の心臓性突然死とAEDの役割」で、講師は三重大三谷義英先生でした。 試合中に倒れたサッカーの松田直樹選手と、東京マラソンで倒れた松村邦洋氏の生死を分けたのは、約30万円のAEDが近くにあったかどうかである、というショッキングな事例に始まり、学校でのAEDの整備の必要性が述べられた。 現在学校検診で小中高の一年生全員に心臓検診が義務づけられているが、心臓検診で異常がなかったり、異常があっても経過観察の児童の管理は極めてむつかしいため、学校での心停止事例を完全になくすことはできない。健康児童であっても野球のボールが胸に当たったり、あるいは何らかの原因で胸を強打して心臓振盪を起こし心停止した例もある。この際、速やかなAEDの施行ができれば救命率は極めて高く、予後もよいという。 現在、日本の学校のほとんどにAEDは配置されているが、規模の大きい学校への複数台の設置、教職員・生徒への救急蘇生法並びにAEDトレーニングの必要性が求められた。 日本の高齢化はすさまじい。日常生活の中でいつ心
スポーツと平和の祭典
スポーツと平和の祭典 8月6日は、リオデジャネイロでオリンピックが開催されると同時に、広島に原爆が落とされた日でもある。オリンピックはスポーツと平和の祭典といわれるが、ドーピング問題で、ロシアの国家的関与が取り沙汰され、一部のロシア人選手はリオへの参加が認められない事態が生じている。また、世界はテロの恐怖におびえ、リオでの警備は厳重である。オリンピックのプロ化とアマチュアの問題、個人と国家の問題など、オリンピックの意義を再度確認する必要があるようだ。 しかし、4年に一度のこの舞台に向けて、メダルの獲得や記録の更新を目指し練習に打ち込むアスリートの姿には誰もが感動するであろう。ここしばらくの間、日本のメダル獲得数が気になり、選手の活躍にワクワクドキドキする毎日が続く。 かつて、子どもへのスポーツの振興に関して、反対するという先生がいた。スポーツは競争心を必要以上にあおるものであり、また、その子の生理的な発達以上に負荷を与えるなど、害もあるという。子どもの教育・発達には体育こそが奨励されねばならないという主旨であった。体育とスポーツ、スポーツと適切な